薬学理論と物理の関係

薬剤師になるためには、大学や大学院で規定の課程を修了してから、薬剤師国家試験を受験しなければなりません。

しかし、この試験はとても難しいものです。国家試験だけあって、生半可な知識では合格することは不可能です。

必須問題、一般問題、科目はさまざまです。

物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務と、多岐にわたります。

このなかでも、とりわけむずかしいのが、物理・化学・生物ではないでしょうか。

生物はまだしも、物理・化学は体系的に勉強することがむずかしいようです。

というのも、じつは、物理・化学と分類されてはいますが、内容的にはもっと細かく分類する必要があります。

その分野とは、量子化学です。

部分的には原子物理学も含みますが、原子物理学が大事になってくるのは、薬学理論問題のうちの、測定方法や分析方法です。というのもこうした測定・分析方法は、原子物理学の原理が活用されているからです。

一見ふつうの化学の問題のように見える問題は、じつは量子化学の問題であったりします。

というのも、薬を作るための理論は、化学だけでは不十分なのです。この量子化学の発展によって今日の創薬技術が成り立っているからです。

量子化学とは、一体何なのでしょうか。

もともと、物理と化学は、独立した分野でした。物理といえば、アイザック・ニュートンでおなじみのニュートン力学が主流でした。

一方で、実験の技術が発達すると、化学理論が発展するようになりました。化学理論は、物理学によって基礎付けられると考えられていましたし、化学が生まれたときにも、そう考えられていました。

しかし、ニュートン力学では、化学があつかう現象を説明することができませんでした。

そんななかで、量子力学という物理学の新しい理論が誕生しました。これは、ニュートン力学に代わる厳密な物理学です。

ボーア、ハイゼンベルグ、シュレディンガー、ディラック、などの物理学者たちが、この理論を完成させました。

この理論が誕生してすぐ、これと化学をむすびつけようと考えた学者がいました。化学の現象をニュートン力学で説明できないなら、量子力学で説明できるのではないかと考えたのです。

その代表的な学者は、ライナス・ポーリングです。ノーベル化学賞とノーベル平和賞を受賞した、マルチ人間です。

このすごい才能の持ち主によって、量子化学が発展しました。量子化学という新しい学問が、薬をつくるための理論の基礎になったのです。

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